時計じかけのオレンジ

監督=スタンリー・キューブリック  原作=アンソニー・バージェス

A Clockwork Orange - Break-in Scene (Warning: Graphic)
あらすじは、暴力によって快感を得る非行少年の主人公が、無軌道的な暴力行為“ウルトラ・ヴァイオ
レンス”で数々の犯罪を犯し、捕まってしまい、更生施設に入れられて・・・。

というものだが、ネタばれするのでこの辺にしておく、、。

キューブリックによる映像美は、やはりすごいなあと思った。
近未来的な家具のデザインなんか、今見ても全然古さは感じない。

暴力シーンは、歌いながら犯す側の心理を表した楽しい音楽が流れたりして、えぐさはあまり感じない。

テロップや余計な解説は一切なく、ただ映像や台詞から観る者に何かを感じさせる。
そして一度見たら絶対に忘れられなくなるインパクトがある。

序盤受けたウルトラ・ヴァイオレンスの衝撃と、平穏なクライマックスとのギャップ。
それさえもあらかじめ計算されていたのではないかと思わせる・・。

暴力について、これほど考えさせられる映画もないのではないだろうか?

暴力とは、人間の動物的本能が持っているもので、止めることはできない。
それを抑制して、危険なものとして封じてしまうのは危ういと思う。
悪いことだから見せない、聞かせない、考えさせない・・・という風潮には疑問が残る。

青少年にはこの映画を観て暴力について考えて欲しい。というか、感じて欲しい。

キューブリックの映画は、観る者に何かを感じさせる。