漂泊の王の伝説

図書館で本を借りてきて、数時間で読んでしまった。
「漂泊の王の伝説」ラウラ・ガジェゴ・ガルシア=著 松下直弘=訳
===・あらすじ===
ある王国の王子ワリードは、詩のコンクールを開き、絨毯織りの男ハンマードに負けてしまう。その男には、詩の才能以外の王子にはない何かがあった。それが分からない王子は、男に難題を押し付けて王国に閉じ込めてしまう。それは、老イブラーヒームの残した王室史料編纂係であった。昼夜働き続けた男はその難題をなんと3年で終えてしまう。腑に落ちない王は、その人類の歴史をすべて織り込んだ絨毯を織れと命じる。故郷に戻ることができない男は、絨毯を織ることにすべてを捧げることになる。そしてついに人類の歴史のすべてを織り込んだ絨毯が完成する。それとともに男は死ぬ。王はその絨毯を見て、果てしない人類の歴史と未来に恐怖を感じ、倉庫にしまいこむ。ある日、その絨毯が泥棒に盗まれる。それを取り返すために追いかける。その間王国は全滅する。もう王ではなくなったワリードは盗賊や遊牧民族とともに旅を続ける・・・。(ネタバレするのでここまで、、)


このあとがすごく面白かった★
王の罪を許す息子たちや、赤いターバンの老人が現れたりして、、。

絨毯に織られた人類の歴史は、複雑な線が入り組んでいて見るものに恐怖を抱かせ、時には精神を病ませる。だがその線はいくつもある運命で、人類はそれを決定できる。破滅の道を進むこともあれば、繁栄の道を歩むことも出来る。その運命について正しく理解できたとき、絨毯はつなぎ合わされ人々に進むべき道を語りかけるのだろう、、、。

人類とか、運命や、歴史についてすごく考えさせられる本だった。

僕はそんなことにすごく興味があって、深く考えている。
この物語はフィクションだが、実在人物がモチーフになってるところもあるらしい。
実際、世界に残された文化財や芸術作品は人々に人類の運命について語りかけていると思う。

人類の長い歴史の中で、今という時代はほんとにちっぽけなものだ。
そんななかで、争ったり、互いに傷つけあったり、人はなんて愚かな生き物なんだろう、、。

いや、人類はそんなもんじゃない。もっと自分の愚かさに気づいて変われるはずだ。



こんな内容の深い本が児童書なんて、、こどもは分かるのかな。。。?!
すくなくとも子どもの頃本嫌いだった自分は読めなかっただろうな、、。。。

こんないい本を薦めてくれたtomoyoちゃん、ありがとう^^