ギターマニアとアーティスト

ギターは音楽を奏でるための楽器であり、手段にすぎない。

だからギタリストは音楽を奏でるためにギターを演奏するのである。

そのためにギターの表現で音楽の可能性を追求するべきである。

技術的にも、理論的にも吸収して身につけることがたくさんある。

しかし、ただのギターマニアで終わってはいけない。

コンポーザーの曲を忠実に再現する“演奏家”ならそれでいいかもしれない。

だが演奏家でも、音楽以外の感性から得るものはたくさんある。


自分で作曲するアーティストと呼ばれる人はそれとは違う。

音楽にはメロディも、リズムも、ハーモニーも、無限に組み合わせが存在するのであり、他人の真似事

では一生かかっても自分の音楽を作ることなどできない。自分で作らない限りは成長はないのだ。

だからギターという「楽器」に捉われてはいけない。そのために色んな音楽を聴いて、吸収できること

がたくさんある。


もちろん、ギターは素晴らしい楽器であり、ピアノのように完成された楽器ではないのだが、そこが

ギターの無限の可能性なのである。例えば、押さえ方にしても、弾き方にしても人によって全然変わる。

直接、弦に触れているから弾く場所によって色んな音が出る。押さえ方でピッチも変わる。

旋律に対するハーモニーもギターで作る場合、どこか未完成で限りがある。ベースラインやカウンター

メロディにしても同じことが言える。そこが良さなのである。


ギターの6本の弦の宇宙に、色んな音楽が描けるアーティストになりたい・・・。