曲構成について

曲を作る上で、考えなければならないのは曲構成である。
 
自分が子どもの頃から馴染んできたポピュラー音楽は、ほとんどがこういう曲構成でした。
 
Aメロ→Bメロ→サビ→Aメロ→Bメロ→サビ→Cメロ→サビ
 
こういう構成が一番当たり前というか、親しみ深い感じがするスタンダードだと思っていたのです。
最近のJ-POPも、多くがこういう曲構成で出来ています。
 
 
がしかし!!
 
 
60年代のアメリのロックには、こういう曲構成は少ないのです。
 
そもそも「Aメロ」「Bメロ」「サビ」という考えではなく、「ヴァース」「コーラス」「ブリッジ」という概念の上に曲が成り立っています。
ヴァースは、曲の最初の旋律の部分。コーラスは、曲の盛り上がる部分。ブリッジは、曲の繋ぎの部分。です。
 
つまり、J-POPでいう「Bメロ」の部分が、アメリカの60年代ロックやポップスにはないんですね。
 
その理由は諸説ありますが、英語の文法では少ない音の中に意味を込めた歌詞が当てはまるからなのです。
たとえば「I love you」なら、3音のなかに意味を込めた歌詞を当てはめることができます。
しかし日本語では3音では「わたし」しか当てはめることができません
 
 
他にも、曲構成には時代的背景が影響を与えています。
20世紀前半頃のポピュラー音楽は、もっと短く完結している曲構成でした。
 
時代が進むにつれ、その曲構成ではやりつくした感が溢れてくるため、どんどん長い曲構成に変わっていったのです。それは現代になっても続いているようですね。
 
 
ギターで曲を作る場合はどうでしょうか
 
そこで、ギター一本のインストの曲を分析してみることになります。
 
日本人ギタリストの曲を分析してみると、「Aメロ、Bメロ、サビ」の形式の曲は結構あるようです。
しかし欧米ギタリストの曲を分析してみると、そういう曲構成はほとんどありません。
 
歌はないインストなのに何が違うのか?それはやはり、その人種がもっている“本能”ではないでしょうか。
その土地に生まれ、その言語を話し、その国で生きている人の本能はやはり音楽にも表れてくるのです
 
それでも色々分析してみると、日本人ギタリストの曲にも「ヴァース、コーラス」や「AABA」形式は多いようです。
インストの場合、メロディを聴かせるので、余計なパートはそぎ落とす方向になるのでしょうね。
 
あと、同じ繰り返しでは飽きてしまうので、ブリッジを入れたり、曲を展開させることが必要です。
 
そこがギター一本の音楽を作る場合の難しさなのです。