クラシックは遺産

クラシック音楽は素晴らしい音楽です。
 
ホモサピエンスの6万年くらいの長い歴史を経て、西洋音楽が辿りついた人類の遺産です
 
 
それまで古代人がやっていた音楽(みたいなもの?)や、洞窟に残る壁画などは今でいう「芸術」という概念で
 
語れるものでは到底ありませんでした。かといって、それを否定しているわけではなく古代人の描いた壁画の
 
線や、形の表現力は素晴らしいものです それらは現代において再考・再評価される価値があります。
 
音楽も同様に、形として残ってはいませんが古代人の演奏していた音楽は、現代においても再評価される価値
 
がある素晴らしいものであったに違いありませんそこには人類の音楽のルーツがあるように思います。
 
 
それが時代を経て、12音音階で音楽的により高度なものとして発展したのが「クラシック音楽」です。
 
極端に言うとそれまで何万年もの間、人類は原始的な音楽をやり続けていたわけで、今でいう音楽の流れから
 
すると、ほとんど“足踏み状態”のようなゆっくりな流れであったといえます。
 
 
中世、ルネサンスを経て、バッハやモーツァルトなどが革新的な音楽を創造してから約300年の間、音楽史
 
涛のような勢いで目まぐるしく発展しました ・・・300年といったら人類史からすると、ごく短い期間です。
 
 
科学天文学も同様に、この300年くらいの間で新しい理論が作られ、多くの出来事が解明されました。長い間
 
繰り返された宗教の抗争を経て、それまで人類が抱いていた世界観や宇宙についての考えが覆されました。
 
テクノロジーが発達し、文明の近代化は人類の生活様式を大きく変えました。芸術のあり方・概念も根本的に
 
変わります。例えば、絵画はただ写実的に描くのではなく、人間の描く自由な線や色彩が表現されています。
 
それと同様に音楽も、現代においては“変わり続ける”ことが重要なことのように思います。
 
ときには“平均律”や“絶対音感”の概念や、西洋音楽が確立した調・響き・旋法の概念でさえも覆され、革新
 
な音楽が創造されていくべきです。20世紀の“現代音楽”のような前衛的な動きはそれを象徴しています。
 
に音楽を聴かせるとクラシック音楽を好み、現代音楽や新ウイーン楽派のような不協和音の音楽は嫌う
 
傾向にあるらしいです。それはどういうことかというと、クラシック音楽はより原始的で、現代音楽はより革新的
 
だということを示唆しています。人間も、より原始的ならクラシック音楽を好む、という傾向にあるようです。
 
音楽史の流れとして、どちらも必然的な音楽であるといえますね。
 
 
とはいえ、やはりクラシック音楽西洋音楽が辿りついた音楽の境地であり、これからも時代を超えて普遍的に
 
かれ続けるに違いありません「トラディショナル」と呼ばれている、当時の“流行歌”は、一般庶民のもので、
 
クラシックはもともと“階層的”という意味で、一部の上流階級の人々にしか聴かれていませんでした。
 
トラディショナルは現代では「ポップス」という音楽ジャンルに変わり、多くの一般民衆に聴かれていますね
 
クラシックのような広壮な音楽は、より時代を超えて長く聴かれ続けるのです。
 
何万年後、未来人が現代の文明を発掘したなら、クラシックはホモサピエンスが創造した音楽の到達点だと思う
 
でしょう・・・。 映画「2001年宇宙の旅」で使われていたように、クラシック音楽は人類の遺産なのです