Sonatas and Interludes For Prepared Piano


ジョン・ケージの「プリペアド・ピアノのためのソナタとインターリュード」を聴いている。
1946年~48年に作曲された初期の作品で、16のソナタと4のインターリュードからなる。

プリペアド・ピアノは、ピアノの88の音のうち49にネジやボルト、プラスティック、ゴムなど
をはさんで独特の打楽器的な音を出して演奏している。

この頃のケージは東洋思想に傾倒していて、哲学者アナンダ・K・クーマラスワミの著書に影響され
て作曲したらしい。ケージがここで表現したかったのはインドの伝統的な哲学概念である。

僕はクラシックの音楽理論はわからないのだが、ただただこの音楽に感動して、ひれ伏してしまう。

現代音楽はつまらないなんて思うひとの感性は、ちょっと理解できないな、、。
純粋に感覚で感じて聴くのもありだと思う。これはそういう音楽ではないだろうか?

それぞれ異なった大きさ・材質の金属やゴムなどでプリペアドされたピアノの弦の音は、いろいろな
音質で彩られる。音と音の間の静寂と緊張感。そこに存在するスリル。ガラスのように研ぎ澄まされ
た美しさ・・。

ケージは、音が持っている“静寂”を表現しようとした作曲家であった。