チロ愛死
アラーキーの新しい写真集
今年3月に22歳で亡くなった、愛猫チロちゃんの晩年の写真を集めたものです
死の床についているチロちゃんの姿はちょっと痛々しいけど、こちらを見つめる視線はまっすぐで力強い。
アラーキーがカメラを向けると、顔をもたげてこっちを向いてポーズをとるのだという。
命を燃やして最期を生きるというのはこういうことなのか・・・。これを撮ったアラーキーもすごい
人間も動物も、命あるものにはすべて死がある。それは生きている限り必ず向き合うときがくるテーマなのだ。
そして、写真集の後半に載っている何枚かの空の写真・・・。肉体を離れた後にあるのは“無”ではない。
他の物の一部に生まれ変わる。すべては同じ空の下で、ひとつにつながっている。それは永遠なのだ・・。
アラーキーの写真を見ていると、音楽が流れる。それは静寂のなかに流れる音楽・・・
瞬間の無限の宇宙のなかを平行に流れる時間を、切り取って釘づけにしたものが写真なのだと気づかされる。
彼の写真は、100年後も、500年後も、変わらず見る者に衝撃を与えているに違いない。