アリス

シュヴァンクマイエルの「アリス 昨年を買って、何度も観ている。もう何回見たか分からない・・・・

これほど“夢”や、幼少期の未知なものに対する恐ろしい記憶を鮮明に映像化した作品を他には知らない
 
ストーリーは主人公アリスの見ていた夢であるが、机の引き出しが異次元の空間へ通じていたり、建物から
 
色んな部屋に行けたりと、支離滅裂な展開は夢のイメージを見事にとらえている 主人公の女の子の可愛さ
 
とは裏腹に、物語は子どもの想像力が生み出す不気味さや恐ろしさがある。アニメーションには、眩暈を覚える
 
ような恍惚感があるし、グロテスクな効果音は性的で悪趣味な印象さえ抱かせる。子ども時代の記憶の彼方へ
 
忘れ去られた、無垢な「夢のリアリティ」を追求した映画だと思う。