音楽家が考えること
いつだって、音楽は頭の中に流れている。
・・・・・・・まるで、血液が心臓というポンプによって体内を循環しているように。
それは、死ぬまで鳴りやまない。
イメージは、雲のように現れたり、消えたりを繰り返して漂っている。
・・・だが、それだけではとても曖昧なもので、自分でも意識しないと気づかないことが常なのだ。
多くの人は、意識の深い部分で流れている音楽に、無関心なまま通り過ぎ、やがて人生を終えてしまうのだろう・・・・・。
しかし誰だって、潜在意識の奥で生まれる音楽の誘惑に魅せられ、深く埋没してしまいたいという欲求が潜んでいることを知っている。
本能が呼び覚ます、夢と狂気の世界の住人になりたいのなら、すぐにでも「音楽」という名の箱舟に飛び乗るべきなのだが、なぜか多くの人がそれを怖がり、躊躇っている・・・。
・・・そのため、決意を固めた少数の人間だけが、未知の世界へ旅立つことを許されるのだ。
本当は誰だって旅立てるはずなのだが、知らない場所へ出かけるのを恐れ、安全な世界にとどまっている。一度きりの人生を後悔なく過ごしたいのなら、迷っている時間はない。すぐに飛び出して、表現の道を究めるために旅立つのだ
どんな困難があっても、音楽の神が味方してくれる。
とても簡単なことだ。