花輪和一 新刊!

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花輪和一の新刊が発売されたので、買ってきました
 
日本を代表するマイナー漫画家であり、偉大な人物です
 
「みずほ草紙」は、日本の御伽噺を軸に人々を取り巻く業や妖怪を描いていて、「風童」は日本の四季や自然の
なかに宿る精霊との交流を描いています。
 
どちらも花輪和一の得意とする「業」がテーマにあり、欲や恨みから逃れられず苦しむ人間の姿には、現代に
生きる我々にも時代を越えて共感させられる深いメッセージがあります。
 
初期作品の、憎悪にまみれた残虐かつ幻想怪奇的な表現はないのですが、人生において付きまとう苦悩と
向き合い、克服していく人間の姿には重い哲学があるし、作者の内なる優しさを感じます。
 
怨恨の呪縛に絶望を味わった花輪和一自身も、ようやく過去の苦しみを遠くから眺められるようになり、悟りを
開いたのでしょうか?
 
美しい自然の中で暮らす人々は、神に見守られている天国にいるようにも思える・・・しかし決して気付かないし
醜い欲望や憎悪から歪んだ人間関係を断ちきれない。
 
日本の風土には、太古より自然とともに生きてきた人間がいます。
 
そして、不思議に満ちた霊魂や妖怪の世界があります。